B. モデルの離散化 up previous next
B.e. 地表面熱収支モデル

付録 A.e 節 に示した (A.55) の離散化は時間方向には Clank-Nicolson 法, 空間方向には中心差分を用いて行う. 温度と格子間隔を整数格子点, 熱フラックスを半整数格子点で評価する. 鉛直方向の格子点数は とし, 最下層から とする. 最上層の温度 が地表面温度 である.

 
    (B.59)

ここで である. 時刻 の項を左辺に, 時刻 の項を右辺にまとめると,

     
  (B.60)

ここで $\overline{\Delta z}_{j+\frac{1}{2}}=(\Delta z_{j+1}+\Delta
z_{j})/2$ とした. とすると, 行列式の形で

(B.61)

と表すことができる. ここで はそれぞれ,


を要素に持つ 行列である.

(A.56) 式で表された上端での境界条件と下端で断熱境界条件を考慮すると, (B.61) は

(B.62)

となる. したがって

(B.63)

を解くことになる. ここで係数行列 の第 1 行および第 行の対角要素は,


行列ベクトルで,


と表される.


2次元非弾性系を用いた火星大気放射対流の数値計算
Odaka, Nakajima, Ishiwatari, Hayashi,   Nagare Multimedia 2001
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