付録:支配方程式詳細 目次
    $\displaystyle \Dinv{P}\DP{}{t} \Dlapla_2 \psi + \Dinv{P}J(\psi,\Dlapla_2\psi)
- \eta(z) \DP{\psi}{x}
= R \DP{\theta}{x} + \Dlapla_2 \Dlapla_2 \psi,$ (A.1)
    $\displaystyle \DP{\theta}{t} + J(\psi,\theta) - \DP{\psi}{x} =
 \Dlapla_2\theta.$ (A.2)

これらの式は, 長さを動径方向の領域 d で, 時間を熱拡散時間 d2で, 速度を熱拡散速度 κ/d で, 温度を上下の温度差 ΔT で無次元化してある. ここで κ は熱拡散係数である. ψ, θはそれぞれ流線関数と基本場からの温度擾乱であり, 22=∂xx+∂zzは 2 次元のラプラシアン, J(f,g)=∂x f ∂z g-∂z f ∂x gはヤコビアンである. 系に現れている無次元数はレイリー数 R=αgΔTd3/κν, プランドル数 P=ν/κ, 地形性β効果をあらわすパラメターηである. ただし α は熱膨張率, g は重力, ν は粘性拡散係数である.

地形性β効果を表すパラメターηは, 回転軸方向の領域の大きさ l が大きく変化せず 上下の傾きが一定の場合において η=4η0d/lE と表される(Busse 1986). ただしη0 は境界面の傾き, l は回転軸方向の領域の大きさ, E=ν/Ωd はエクマン数である. 球の幾何学的形状をとりこむためにこのスケーリングを局所的に適用し, ηを以下のように z の関数として与える. 円筒モデルで扱う球の部分を回転軸からの距離にして s0 から s1 までとすると, 回転軸からの距離と z 座標の関係は s=s0+(s1-s0)z となる. この s を用いると, 回転軸方向の領域の広がりと境界面の傾きが l=2(ro2-s2)1/2, η0=s/(ro2-s2)1/2 と表される. ただしr0は球殻の外側半径である. これを上の式に代入して
\begin{displaymath}
\eta(z) = \frac{2s(z)}{E[r_o^2 -s(z)^2]}, \quad
s(z) = s_0 + (s_1-s_0)z
\end{displaymath} (A.3)

となる. 計算においては r0=1, s0=0.4, s1=0.9 なる値を用いた.

geom_mrds.gif (3219 バイト)

図 : 数値モデルの概念図


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