付録C.臨界レイノルズ数の決定方法 
 臨界レイノルズ数RC(θ)は,各θ位置においていかなる周波数の微小撹乱も増幅しない最大流速を用いて定義される.しかし,実験を行う上では,一様流速を固定し,その流速において撹乱が増幅を開始する中立安定位置 θ* Cを決定する方が簡便である.具体的には以下の手順で臨界レイノルズ数を決定した.
 ある一様流速Q  ,周波数fに対し,各θにおいて,スパン方向(Y)と境界層方向(Z)について最大となる振幅Amax (θ)を求める(図18a).
最大振幅Amax(θ ) が,あるθを境に,減衰から増幅に転じた場合,そのθがその一様流速と周波数の組み合わせに対する中立安定位置θC (Q , f )となる.その流速における臨界位置θmin C (Q)は,周波数を変化させた場合中立安定位置θCの最小値で定義される(図18b) .
 臨界位置θmin Cにおける臨界レイノルズ数RCは一様流速Q より Q δ[1+ cos2Λ(4sin2θ-1)] 1/2 /νと決定される.
(a) (b)

図18: 臨界レイノルズ数の決定方法を示す模式図.各θにおける振幅分布(a)と最大振幅のθ方向変化(b).