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1 流体粒子の濃度変化

混合がどの程度進んでいるかを定量的に判断するために, 液滴内部に流体粒子の塊を置き(図14), 振動を加えることによって 液滴内の任意の領域において流体粒子の濃度がどのように時間変化するのかを調べた.

濃度変化の指標として濃度$ I$を次のように定義する.

$\displaystyle I = \frac{(\sum_{i=1}^M[C_i-\langle C \rangle]^{2})^{1/2}}{\langle C \rangle}$ (35)

ここで $ \langle C \rangle$ は検査領域全体の数密度, $ C_{i}$ は検査ブロックの数密度, $ M$ は検査ブロック数 を指す.

図 14: 濃度用マーカーの初期位置.
\includegraphics[width=0.45\textwidth]{eps/base.eps}

この指標では,仮想的に置いた粒子が偏って存在すると,$ I$の値は大きくなり, 検査領域内で均一に広がると値は小くなる. この解析では,液滴中央付近では粒子の動きが小くなることが 軌跡の図から明かなため,検査領域は液滴中央部を除き, $ r=\sqrt[3]{1/10}$より外側を検査領域とした. また,粒子の初期配置は $ 0.65\le r \le 0.75$, $ 36^{\circ} \le \theta\le 42^{\circ}$, $ 31.5^{\circ} \le \phi \le 41.5^{\circ}$に 1150点を固めて配置し,粒子が広がる様子を動画で確認出来るようにした. この指標を用いることによって, 内部の混合が起きやすい振動の与え方を決定した.


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鈴木, 高橋, 宮嵜, 青山