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3 液滴の固有振動

全球の液滴振動の固有振動数$ \omega $は, 速度ポテンシャル$ \varphi$をルジャンドル陪関数$ P_n^m$

$\displaystyle \varphi = A {\rm e}^{-{\rm i}\omega t} r^n P_n^m(\mu)$ (3)

と表して($ m$, $ n$は次数,また $ \mu=\cos\theta$と置いた)

$\displaystyle \omega_{n}^2=\frac{\sigma}{\rho a^3}{n(n-1)(n+2)}$ (4)

と解析的に求められている[1]. ここで$ \sigma$は表面張力,$ \rho$は密度,$ a$は液滴の半径である. この振動数$ \omega $は次数$ m$に依存しないことが知られている. 液滴がステージ上での静止形状が半球で, 接触線が自由に移動できる場合には, $ (m+n)$が偶数の場合の結果をそのまま適用できる. しかし青山らの実験[11] では接触線が移動しない(縁が固定されている)ことが確かめられた. 液滴内の速度場を速度ポテンシャル$ \varphi$で表す. 以下に示す様に,表面における表面張力の影響と運動学的な条件を 線形化して固有値問題に帰着する. 次に,この問題をガラーキン法で離散化し,線形代数サブルーチン IMSLを用いて数値的に固有値と固有ベクトル(固有振動モード) を計算する.



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鈴木, 高橋, 宮嵜, 青山