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仮想粒子密度とボリューム・レンダリング
による流れの可視化

白山 晋((財)高度情報科学技術研究機構) ・ 桑原邦郎(宇宙科学研究所)

仮想粒子追跡法は非定常流れを可視化するために有効な方法であるが,大量の粒子を用いた場合,粒子表示を工夫しないと粒子自身が特徴ある構造を隠蔽する可能性がある。 そこで仮想粒子密度という概念を導入する。 粒子密度を,NGP法,CIC法,SPM法によって計算し,ボリュームレンダリングによって可視化する。 提案した方法を球および回転楕円体を過ぎる流れ場,回転する偏心二重球内の流れ場,二つの渦輪の干渉の可視化に適用した。 その結果,粒子濃度の高い部分が特徴領域として抽出され,動画化により時空間におよぶ不要な情報は圧縮され,実験との比較や流れ場の構造の解析に役立つことが示された。

本文
  1. はじめに
  2. 仮想粒子密度法
  3. 回転楕円体を過ぎる流れ場の可視化
  4. 球を過ぎる流れ場の可視化
  5. 回転する偏心二重球内の流れ
  6. 粒子の追従性と拡散効果の導入
  7. 二つの渦輪の干渉
  8. 結論
付録
1998年1月26日受領、1998年4月13日受理


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