回転楕円体を過ぎる流れ場の可視化 仮想粒子密度とボリューム・レンダリングによる流れの可視化 仮想粒子密度法 (2) 球を過ぎる流れ場の可視化

 

図5aは実験における統合流脈面に相当するものである。 物体表面格子近傍の定められた位置から数時間ステップ毎に粒子を発生し,式 (3) を解くことで仮想粒子の分布を求めた。 非定常場を対象としているので,粒子数は数万から数十万となる。 流れ方向に物体から巻き上がった縦渦と呼ばれる渦構造が捉えられているものの実験で見られるような粒子濃度の高い領域を識別することはできない。 計算においては多数の粒子によって視線が遮られるためである。 そこで,仮想粒子密度を計算することにより特徴領域の抽出を行った (図5b)。 粒子分布は流れ場の計算を行った計算格子で,粒子密度は計算格子と補助的な直交格子の両方で求めたが,着目した現象が物体の近傍に存在するために粒子密度の計算法による差違は認められなかった。 図から粒子濃度の高い領域が黄色から赤色で表現され,縦渦の中心部を構成していることがわかる。

次に動画化により動的な構造を調べた。 粒子そのものの表示による粒子分布の時間的変化を図6a に示す。 図6b は粒子密度の時間変化である。 両者を比較することで,粒子の局在化の様子がよくわかる。

図 5a

図5a 回転楕円体を過ぎる流れ(統合流脈面に相当する)

image28s.jpg (13068 バイト)

図5b 回転楕円体を過ぎる流れ(仮想粒子密度)

図6a 回転楕円体を過ぎる流れ(統合流脈面に相当する:動画) 図6b 回転楕円体を過ぎる流れ(仮想粒子密度:動画)

 

 

回転楕円体を過ぎる流れ場の可視化 仮想粒子密度とボリューム・レンダリングによる流れの可視化 仮想粒子密度法 (2) 球を過ぎる流れ場の可視化