−日本数値流体力学会と(社)日本流体力学会の融合について−



会員各位
日本数値流体力学会と(社)日本流体力学会の融合について

第10期日本数値流体力学会会長 久保田 弘敏

 本学会は,1992年の設立以来,我が国の数値流体力学の発展及び関連の国際活動に多大の貢献を果してきました.すなわち,毎年12月に開催する数値流体力学シンポジウム,年4回発刊の「日本数値流体力学会会誌」および英文論文集「CFD Journal」,いくつかの国際会議の主要共催団体等の活動であります.一方,本学会には,会員の構成,財政基盤,運営方法等に基本的課題も残されていましたため,これらの課題の解決を図るための努力も,継続的に行われて来ました.本学会は,現在会員数は約450名で,大きな変化なく推移しています.財政については,おおよその均衡を保っておりますが,これは毎年の数値流体力学シンポジウムに毎年多くの非会員のご参加があることと,シンポジウム実行委員会,さらには会誌・論文集の編集に携わる方々のボランタリーなご努力により,必要経費が非常に低廉に抑えられてきたことによるもので,決して強固な財政基盤を持つとはいえない状態にあります.

 そのため,前期(第9期)の理事会では,笠木前会長のリーダーシップのもとに,これらの問題を克服し,学会としてさらに社会に貢献して行くための,多くの組織改革がなされました.また,将来構想検討ワーキンググループをもうけて多角的な検討が行われました.その結果得られた結論は,この規模の学会が,人的にも学問的にも重複を有する他の学協会と競合しながら今後より一層の国内外の活動を展開することは,その規模や財政面から困難といわざるを得ず.むしろ多くの共通基盤を有する(社)日本流体力学会と融合し,より大きな基盤を形成した上で活動を続ける方が,数値流体力学の発展や社会への貢献においてより有効であるとことでありました.

 そこで,昨年9〜10月に,アンケートによって全会員を対象にご意見をうかがいましたところ,回収率40%のうちワーキンググループへのご賛成が75%でありました.その際,本学会としてのアイデンティティーを保つことが重要である等の貴重なご意見もいただきました.この結果を受けて,(社)日本流体力学会と両学会の融合に関する交渉を行い,基本的な合意に達しました.その内容は,会誌の 10巻第1号 にご報告してございますが,要約すると,以下のようでございます.
  1. 両学会は,融合して学会名称は(社)日本流体力学会とし, その中に「数値流体力学部門」を設けて,従来からの日本数値流体力学会における 活動を引き継ぎ発展させる体制を確保する.
  2. 数値流体力学シンポジウムは,この数値流体力学部門が主体となって, 従来通り継続して開催する.
  3. 和文会誌は,当面は,日本流体力学会は発行してきた「ながれ」と 日本数値流体力学会のウエブジャーナル「数値流体力学会」の二本立てとする.
  4. 日本数値流体力学会の英文誌「CFD Journal」は,この機会に独立した体制とし, 従来と同じ編集出版方針で継続して刊行される.ただし今後とも協力関係は継続する.
  5. 融合の時期は,日本数値流体力学会の会計年度の終了する平成14年10月1日とする. 日本数値流体力学会の会員で,(社)日本流体力学会へ会員資格を移行する会員は, 入会金等を必要とせず,会員資格を移行できる.新会費の納入は,(社)日本流体力学会の 新会計年度の開始にあたる平成15年1月からとする.
 この案をもちまして,平成13年12月19日の本学会総会に,両学会の融合についてお諮りいたしましたところ,全会一致で承認されました.また,引き続き行われました評議員会においては,融合についての具体的な準備を行う「融合検討特別委員会」を設置すべきことが決定されました.これらの経緯については,会誌の 10巻第1号 に記載の総会及び評議委員会報告にてご報告しております.

 その後,両学会間に融合検討特別委員会を設置し,具体的な融合手続きについて協議を重ねてきましたが,前述の基本方針を堅持して,本学会の活動が,継続的にかつより広い基盤のもとに継続しうることが確認されました.また,会員資格の移行方法につきましても,会員各位に極力有利となるよう,以下のようにさせていただきます.
  1. 今回お手続きをいただくと,特別な入会申し込みや入会金は不要で, 会員資格を(社)日本流体力学会に移行できます.
  2. 入会時期は,本学会への入会時期が適用されます.
  3. 両学会の会員である方は,特別なお手続きは必要ありません. 入会時期は古い方の時期が適用されます.
 現在,会員各位の会員資格の移行につきまして,ご意向をお伺いすべく,アンケート実施中であります.この機会にぜひ,会員資格のご移行をお手続き下さいますようお願い申し上げます.

 また,前述のように,英文論文誌「CFD Journal」は,独立した編集体制のもと,従来と同じ編集出版方針で継続して刊行されることとなります.これにつきましても,ご購読のご案内をお送りしておりますので,引き続きのご購読をお願いいたします.

 以上,学会の融合に関します経緯のご報告と,お願いを申し上げます.

以上

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