3.実験結果及び考察
 
3.1 遷移の初期撹乱強さに対する依存性
 
 

予備実験により噴流の持続時間はある程度長くないと遷移に至らないことがわかったので、本実験の条件では約7msとした。

図3 円盤静止時に吹き出し孔上(z=1mm)で計測した噴流波形.
吹き出しが弱いとき撹乱は波束(wave packet)へと成長する(図4b)。

吹き出しの強さが増すとともに波束の振幅も大きくなる(図4c)。

さらに強くなると高周波の変動が現れる(図4d)。

最終的には乱流へ遷移する(図4e)。

本実験では特に乱流遷移した後の過程に注目しているため、局所的乱流構造が再現良く生じるときの吹き出しの条件(Vjmax=6.9m/s=1.3V0 )を初期撹乱の強さとした。


図4 噴流の最大速度Vjmaxを様々に変化させた時のR=450における瞬間波形の変化. V0は吹き出し位置(R =256)における局所回転速度.