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5.2. 2 次元 2 重周期境界領域でのβ平面順圧モデル

2 次元 2 重周期境界領域でのβ平面順圧モデルの支配方程式と境界条件は次 のようなものである.

無限領域の場合に, この系にはモドンと呼ばれる孤立渦解が存在する ([8], [9]). その形は渦の中心を原点とする平面極座標 (r,θ) を用いて次のように表される.

ここで a, c はそれぞれ孤立渦の半径と伝播速度, q = √(β/c), そして k は分散関係に相当する関係式,

から定まるパラメターである.

これらをプログラミングしたソースコードの全体が plbaro-beta_abcn_test3.f90 である. 支配方程式の時間積分は 散逸項を Crank-Nicolson スキームで, それ以外の項を Adams-Bashforth スキームで行なっており, その主要な時間積分計算は

do it=1,nt
    ee_DVorDt = - ee_Jacobian_ee_ee(ee_StrFunc,ee_Vor)  &
                - Beta * ee_Dx_ee(ee_StrFunc)

    ee_Vor = ( (1.0D0 - ee_HVisc*delta_t/2)*ee_Vor    &
              + 3.0D0 * delta_t/2.0D0 * ee_DVorDt  &
              - 1.0D0 * delta_t/2.0D0 * ee_DVorDtB ) &
            /(1.0D0 + ee_HVisc*delta_t/2)

    ee_DVorDtB = ee_DVorDt
    ee_StrFunc = ee_LaplaInv_ee(ee_Vor)
    ...
enddo

とコードされている. a=c=1 の場合のモドン解を初期値として時間発展させた計算結果を 下図に示す. 渦の形が変化せず伝播していく様子が観察できる.


[animation]

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