仮想粒子密度法 (2)
仮想粒子密度法 (2) 仮想粒子密度とボリューム・レンダリングによる流れの可視化 仮想粒子密度法 (2) 回転楕円体を過ぎる流れ場の可視化

 

さて仮想粒子密度が補助格子上で求められたとしよう。 次に効果的な表示法を考察する必要がある。  仮想粒子密度はスカラー場であるために,これを表示するための最も一般的な方法は等値線表示であろう。 しかしながら,特定領域の存在位置を明瞭にすることが目的であるので,本稿では等値領域表示の利用を考える。 等値領域表示は二次元平面,または,曲面では簡単に実現できるが,三次元への拡張は難しい。 そこでボリューム・レンダリングを利用する。 計算格子セル上の計算値の精度が最も高いことから,ボリューム・レンダリングの方法として計算格子セルを基準にした方法を採用する(本稿の場合は補助格子セルを計算格子セルとして扱う)。 この目的のために z -スライス法 [2,11] と呼ばれるものを利用する。 図4に z -スライス法の概念図を示す。 計算格子セルを視線方向からスライスしながら,ラスター変換によってスライス面での直交一様格子上での粒子密度のサンプリングを行い,サンプリング値をもとにレンダリングを行うという手法である。 また,レンダリングにはLevoyの方法 [12] を用いた。 次節から可視化結果を示す。

 

図4 z -スライス法の概念図

 

(a) 補助格子セルを視線方向にスライスする.

(b) スライス面上の直交一様格子(ピクセル空間)上で粒子密度のサンプリングを行う.

(c) スライス面を3次元的に重ねあわせてレンダリングする.

 

 

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