レイノルズ数がある程度大きくなると軸対称形状の球でも主流方向に軸をもつような渦が現れ,実験での可視化において粒子濃度の高い部分が軸対称性の崩壊と縦渦の形成という重要な情報を提供する[13]。 このような流れ場を計算によって解析し,物体表面上に配置した大量の仮想粒子を用いて可視化すると近傍構造を覆い隠す粒子層があらわれ,特徴的な部分だけを抽出することは難しい。 図7aに示す粒子分布からも後流に伸びる流れ方向の構造が存在することはわかる。 しかしながら,球後流直後の粒子分布は軸対称構造を示しており,外側の粒子層が視線を遮るために図7aからは流れ方向の構造と軸対称構造との関連性が不明瞭である。 図7bに示す仮想粒子密度の可視化からは球後流直後の軸対称的な粒子分布の中に非軸対称性を示す粒子濃度の高い部分が捉えられている。 図8に示す動的な構造から流れ方向の構造との関連性がより明らかになる。