6.2 浮力偏差から$ \overline{\omega }_2^{\,(2)}$が生じる過程の物理的解釈

$ \overline{b}^{\,(2)}$の分布図に相当する図31($ Ta=3\times 10^4$の場合は図33)の一番下の図を見ると、上側の正の浮力偏差に比べて、下側の負の浮力偏差の中心が右($ x$が正)方向に僅かにずれている。正(負)の浮力偏差の中心では上昇(下降)し左右両側では下降(上昇)すると考える(図41(左))。下の負の偏差の中心が右にずれることによって、上の正の偏差の中心の上昇域(右側の下降域)が下の負の偏差の左側の上昇域(中心の下降域)と繋がり、傾いた時計回りの循環となる(図41(右))。この傾いた循環は図27($ Ta=3\times 10^4$の場合は図29)の上から3番目の$ \overline{\omega }_2^{\,(2)}$の分布に見えている。

図41: 上下の浮力偏差が$ {\overline {\omega }_2^{\,(2)}}$を生成する概念図
\includegraphics[scale=.65]{img2/app_fig2.eps} \includegraphics[scale=.65]{img2/app_fig2-1.eps}

SAITO Naoaki
2009-07-09