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2. 開発した雲対流モデルの概要

本節では開発した H2O, NH3 の凝結と NH4SH の生成反応を考慮した雲対流モデルの概要を述べる. 系は水平鉛直 2 次元とする. 基礎方程式系は, 準圧縮系方程式系 [1] に全ての凝結成分の保存式を組み合わせたものである. 雲微物理過程と乱流混合過程は, それぞれ Kessler (1969) [2] と Klemp and Wilhelmson (1978) [1] のパラメタリゼーションを用いて表現する. 基礎方程式系の空間離散化は差分法を用いて行い, 時間積分は音波モードと それ以外のモードを異なる時間ステップを用いて積分する方法であるモード別時間分割法 [1] を用いて行う. 3 種類の雲の分布を 1 枚の図に示すために, 「RGB 合成法」と呼ばれる可視化法を用いる. その可視化法を用いることで, H2O, NH3, NH4SH の雲混合比の分布はそれぞれ赤色, 緑色, 青色のカラートーンで表され, 複数の雲が共存する領域はそれらの色の合成色として表される.

2.1 定式化
2.2 離散化
2.3 複数成分の雲の可視化

開発した雲対流モデルは <URL: http://www.gfd-dennou.org/library/deepconv/> [5] に公開している.


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