第37回 数値流体力学シンポジウム
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■ 第37回数値流体力学シンポジウム ベストCFDグラフィックス・アワード 受賞作品
今年は21件の応募があり,その中から参加者の投票および審査員の選定によって3作品の受賞が決定しました.
受賞者の皆様,おめでとうございます.以下に受賞作品を掲載します.
■ 一般投票1位:プール核沸騰のシミュレーション

    長﨑 孝夫(東京工業大学),杉原 健太(原子力機構),青木 尊之(東京工業大学),内田 遥己(東京工業大学)

    PLIC VOF法を用いてプール核沸騰のシミュレーションを行い、壁面過熱度の増加に伴い沸騰が激しくなる様子を再現した。
■ 一般投票2位:気液界面下の円柱後流 ー同じ深さでも二つの異なる乱流状態が現れるー

    本告遊太郎(大阪大学), 渡邊大記(大阪大学), 後藤晋(大阪大学)

    気液界面を伴う円柱周りの流れの直接数値シミュレーションを実施しました。円柱を同じ深さに設置しても、二つの異なる乱流状態が現れることを発見しました。円柱の背後にできる乱流渦や、それに伴い変形する界面の形状が、二つの状態で異なることが確認できます。
■ 審査員による選出:Vortices around a butterfly in free flight

    村井泰清(信州大学),糀真哉(信州大学),鈴木康祐(信州大学),吉野正人(信州大学)

    計測実験によって得られたデータを用いて,“蝶を忠実に再現した計算モデル“を構築し,その自由飛翔している際の渦構造を可視化しました.蝶が翼から渦を剥離させながら飛翔していることがわかります.




■ その他の応募作品
作品001 ラグビーボール周りの流れ

    新倉将太(あさひ技術士事務所)

    ラグビーボールのスクリューパスで生じる後流の流動を見ています。回転が増えるほど、後流が不安定になる様子が確認できます。
作品002 超音速の乱れ

    稲垣達也(名古屋大学),渡邉智昭(名古屋大学),長田孝二(京都大学)

    超音速噴流群流れの初期領域における可視化です.赤色の等値面が噴流のポテンシャルコアです.オレンジで可視化された等値面が渦度です.超音速噴流及び,周囲の渦度を綺麗に確認することができます.
作品003 乱流中を伝播する垂直衝撃波の変形

    楠畑天音(名古屋大学),田中健人(岡山大学),渡邉智昭(名古屋大学),長田孝二(京都大学),佐宗章弘(名古屋大学)

    乱流中を伝播する垂直衝撃波の直接数値計算1です。乱流との干渉によって衝撃波に生じる局所的な変形を、変形の指標である平均曲率とガウス曲率に基づいてRGB値を割り振って可視化しました。
    1: https://pubs.aip.org/aip/pof/article/32/9/096107/1061110
作品004 ナノ粒子大量生成用 直流-高周波誘導ハイブリッド熱プラズマ-非電離気体共存系の流動ダイナミクス

    茂田正哉(東北大学)

    ナノ粒子の大量生成を実現できる直流-高周波誘導ハイブリッド熱プラズマと非電離気体の共存系の電磁熱流体シミュレーションを行いました。室温~1万度超という温度の時空間変化にともなって物性値と密度が数桁にわたり変化する低マッハ数の非圧縮性流れを同一計算領域内で解くという過酷な数値計算条件においても,流体力学的な不安定性の捕捉と数値安定的な長時間計算を両立できる手法を開発し,その熱流動場と渦構造のダイナミクスを捉えることに成功しました。高温のプラズマ域には大きな渦のみが存在し,小さな渦群は低温域にのみ生じる,という理論予測と一致する傾向が現れており,高周波誘導プラズマと直流プラズマジェットが衝突して合併した後に渦構造がさらに複雑なものに変遷していく様子が捉えられています。
作品005 Building-cube法に基づく非定常流れの大規模トポロジー最適化

    勝又稜平(名古屋大学),西口浩司(名古屋大学),干場大也(名古屋大学),加藤準治(名古屋大学)

    大規模計算に適するBuilding-cube法に基づき,非定常流れのトポロジー最適化を行った.計算セル数は約1700万,設計変数は約1300万であり,名古屋大学のスーパーコンピュータ「不老」TypeⅠの約4000コアを使用して計算した.2つの数値計算例により,非定常流れのエネルギー散逸が最小となる流路形状が得られ,またその形状における流れの状態が確認できた.
作品006 High-fidelity simulations of wide-span transonic airfoil buffet on multi-GPUs using automatic code-generation

    David J. Lusher (JAXA, JSPS), Andrea Sansica (JAXA), Atsushi Hashimoto (JAXA)

    Large-scale high-fidelity simulations of 3D turbulent transonic buffet effects on a NASA-CRM unswept extruded wide-span wing. Simulated on 120 GPUs in the OpenSBLI automatic code-generation framework. Showing 3D buffet cells for a wing with aspect ratio of 2, the largest scale-resolving simulation of this phenomena to date.
作品007 エラスチン様ポリペプチドによる相分離形成とその過程におけるペプチド鎖同士の接触面積

    竹ケ原陽斗(東北大学),岡本泰典(東北大学),船本健一(東北大学), 馬渕拓哉(東北大学)

    粗視化分子動力学法を用いたエラスチン様ポリペプチド(ELP)による相分離現象のシミュレーションを行い、可視化しました。相分離したELP(V)とELPジブロックではELP鎖同士の接触面積が増加する一方で、相分離しなかったELP(G)では接触面積は増加しないことが確認できます。また、ELPジブロックでは、内側が疎水性領域、外側に親水性よりの領域になっていることが確認できます。
作品009 乱流境界層中の偏心を持つテーパー角柱構造物周辺のq値の可視化

    長尾 悠生(前田建設工業)

    乱流境界層中の偏心を持つテーパー角柱構造物周辺のq値を三次元空間分布として描き、その分布にZ軸方向の渦度(時計回り:青、反時計回り:赤)の値を重ね描きしたもの
作品011 “Rotational separation” in a binary droplet collision

    百瀬雄哉(信州大学),吉野正人(信州大学),鈴木康祐(信州大学)

    二体液滴衝突における回転分離の数値計算にトレーサー粒子の計算を組み込むことで,液滴内部の流動状態を可視化しました.回転分離後の液滴は,衝突前の片方の液滴がもう片方の液滴を包み込むような形になることがわかりました.
作品012 チャネル乱流における凍結乱流場の可視化

    山本義暢(山梨大学)

    レイノルズ数Re_tau=1000、流れ方向に51.2h(hはチャネル半幅)を確保することで、流れ方向速度による大規模構造の移流を可視化した。凍結乱流仮説からの逸脱が確認できる。
作品013 Simulation of ice slurry flow and heat transfer in a circular tube

    塩見凌大(信州大学),吉野正人(信州大学),鈴木康祐(信州大学)

    円管内氷スラリー流について数値シミュレーションを行い,氷粒子の挙動と温度場について可視化しました.また,熱を考慮した埋め込み境界ー格子ボルツマン法を用いることで,氷スラリー流におけるミクロな観点からの調査を実現することができました.
作品014 The flow around the Obstacle with Active Brownian Particles

    岩瀬晃司 (名古屋工業大学) ,礒部雅晴 (名古屋工業大学)

    流体力学では、円柱周りの流れはカルマン渦生成がよく研究されている。一方、分子の動力学を考慮した分子動力学シミュレーションでも再現できる。本研究では、円柱周りの分子の流れをアクティブマターの一つであるアクティブブラウン粒子流とし、大規模分子動力学シミュレーションを行った。アクティブブラウン粒子固有の2つのパラメータを系統的に変えたところ、従来の分子の流れと異なり、円柱周辺の圧力上昇ならびにアクティブブラウン粒子に特有の凝集過程である運動性誘起相分離(Motility-Induced Phase Separation: MIPS)という2つの理由による結晶化が生じることがわかった。結晶化の特徴を詳しく調べるため、各粒子の配向秩序変数を可視化し、相図を作成した。
作品015 Identifying Aerodynamic Engine-Wing Interactions via CFD

    Jan Mueller (電気通信大学) ,千葉一永 (電気通信大学), 大庭芳則 (IHI)

    Aircraft and engine design are classically two separate processes. However, with increasing engine bypass ratios, interaction phenomena can no longer be neglected. We aim to develop a new integrated simulation method for aircraft and engine that takes these interactions into account, for better optimized future aircraft designs.
作品017 T-spline AMR法を用いた超音速パラシュートの圧縮性流体解析

    三川翔平(早稲田大学),寺原拓哉(早稲田大学),滝沢研二(早稲田大学),Tayfun E. Tezduyar(ライス大学)

    本作品は、T-splineによるAMR法を組み合わせたSpace–Time アイソジオメトリック解析による超音速Disk-Gap-Bandパラシュートの計算結果を可視化したものである。T-splineを応用することで、滑らかな関数を用いた物体適合と非等方的な格子のリファインメントを同時に実現した。図中の色は密度を表す。
作品018 Airconditioning diffuser

    Naveen Kumar Chahel(Hokkaido University)

    Simulation of Airconditioning Diffuser
作品019 Space–Time Isogeometric Analysisによるドローグパラシュートのスリットおよびギャップを解像した流体計算の可視化

    永田怜(早稲田大学),三川翔平(早稲田大学),寺原拓哉(早稲田大学),滝沢研二(早稲田大学),テズドゥヤー タイフン(ライス大学,早稲田大学)

    ドローグパラシュートの形状は構造計算により得られたもので、1/24の領域に対する周期境界を用いた流体計算を行った。可視化は、Q値を速度ベクトルで色付けしたもの、パラシュート近傍の速度ベクトル、また、Line Integral Convolution を用いて、2次元断面の速度場を可視化した。
作品020 Space–Time Isogeometric Analysis of a Helicopter with Main and Tail rotors

    劉洋(早稲田大学),寺原拓哉(早稲田大学), Noah Pritchard(ライス大学), 倉石孝(ライス大学),滝沢 研二(早稲田大学),Tayfun E. Tezduyar(ライス大学,早稲田大学)

    We have applied the space–time (ST) isogeometric analysis framework to the simulation of a flying helicopter. The Slip Interface (SI) enables the simulation of helicopter roll, yaw, and pitch motions. Moreover, it facilitates easy simulation of cyclic control and collective control. The video illustrates the construction of the mesh and the SI and demonstrates its great flexibility for real-world helicopter simulations. The aerodynamics computation presented in the video shows the preliminary result of the framework we have adopted.
作品021 タービン翼の回転および振動を考慮した流体解析

    齊木悠飛(早稲田大学),倉石孝(ライス大学),劉洋(早稲田大学),徐兆京(早稲田大学),中村貴博(早稲田大学),滝沢研二(早稲田大学),Tezduyar Tayfun E.(ライス大学,早稲田大学)

    本研究はターボチャージャーの共振時の流体場を捉えるべく、タービン翼の回転および振動を慣性系で記述する手法を考案する。翼の軌跡に3次のB-splineを採用し翼の加速度の連続性を担保している。

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