3.収縮部下流における流れ場と壁面圧力分布の数値解析結果および考察
3.1 流量比Qb/Qの影響
@流れ場
A壁面圧力分布3.3 管径比の影響
@流れ場
A壁面圧力分布3.2 bleeding位置と再付着点との位置関係による影響
@流れ場
A壁面圧力分布3.4 レイノルズ数による流れ場および壁面圧力分布の相似性
3.1 流量比Qb/Qの影響
@流れ場
図3に計算領域とRedは固定して、流量比Qb/Qを0〜1.0まで変化させたときの収縮部下流の流れ場を示す。
計算条件は次の通りである。
・Red=500 ・L/d=20 ・B/D=0.5 ・S/D=5 ・d/D=0.5 ・y/D=2
図3 Qb/Qを変化させた場合の収縮部下流の流れ場の様子
(Qb/Q=0.0, 0.1, 0.3, 0.5, 0.8, 1.0)
- Qb/Q=0では、bleeding流路内では3つの渦(黄、青、緑)が確認される。最も軸中心側の渦(黄)は反時計回りであり、その外側は時計回り(青)となっていて、カウンター渦となっている。はく離域内の流体(赤)はbleeding流路に曲げられている。このような渦列はTuttyの論文(Tutty,1988)の中にも紹介されている。
- Qb/Q=0.1では、bleeding流路の上下流にそれぞれ回転方向の同じ(時計回り)渦が見られる。bleedingからの流れの一部ははく離域に流れ込み、逆流して、収縮部出口に到達した後に下流へと流れる。つまり、収縮部から流れ出た流体のせん断力によって下流へと引きずられる流体(連行量)は、bleedingの流体で補われていることがわかる。bleedingからの流量の50%以上(青)が逆流している。さらに、bleedingから流れ出た流体は管壁に沿って流れるため、収縮部から流れ出た流体は管壁に再付着することはない。
- Qb/Q=0.3では、bleeding下流にあった渦が消滅しており、bleedingから下流に向かう流れははく離を生じていない。また、bleedingから逆流する流量の割合は50%以下となった。
- Qb/Q=0.5〜1.0では、流れ場の様子はQb/Q=0.3の場合とあまり変化はない。しかし、bleedingから逆流する流量の割合はQb/Qの増加に伴い減少している。これは、Redが等しいので連行量が等しく、相対的に逆流する流量の割合が減少したものである。