4. 計算結果: ダストのある場合   a. ダスト混合の様子 up previous next
4.a.i. 水平平均ダスト混合比の鉛直分布

図 11a は ダスト巻き上げ 1 日目と 2 日目の水平平均したダスト混合比の鉛直分布である. 1 日目の巻き上げの結果, 高度 10 〜 13 km 付近にダスト濃度が急激に減少する領域が形成される. ダスト巻き上げ 2 日目になると, 成層圏まで巻き上げられたダストはその後ゆっくりと上昇する. ダスト巻き上げ 4 日目以降のダストの鉛直分布には大きな変化は見られ ない (図 11b) . 下層の対流層内ではダスト混合比は鉛直にほぼ一様であり, 対流層の厚さが薄くなるのに伴いダスト濃度は若干増大している. 沈降量と巻き上げ量がほぼつりあっており, 大気中のダスト総量があまり変わらない平衡状態にあること (図 9) に対応している. 上層ではダストが平均的にゆっくりと沈降するのにともない ダスト濃度は若干減少している.

図 11a: 水平平均したダスト混合比の鉛直分布. (左) 巻き上げ第 1 日 目の時間変化. LT = 13:00 〜 18:00 の 1 時間毎. (右) 巻き上げ第 1 日 目の時間変化. LT = 08:00 〜 18:00 の 2 時間毎.

図 11b: 水平平均したダスト混合比の鉛直分布. 巻き上げ後 1 日目から 6 日目までの変化. LT = 16:00 の分布.


2次元非弾性系を用いた火星大気放射対流の数値計算
Odaka, Nakajima, Ishiwatari, Hayashi,   Nagare Multimedia 2001
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