A. 数理モデルの詳細   d. 放射モデル up previous next
A.d.vi. 太陽放射フラックスと天頂角パラメータ

全波長で積分された大気上端における太陽放射フラックス は, 季節, 緯度, 時刻によって変化する. ここでは季節, 緯度を指定した場合の各時刻における の計算方法を示す.

平均軌道距離上での太陽定数を (W m-2), 太陽からの距離を, その平均距離を , 太陽天頂角を , 緯度を , 太陽の赤緯を , 時角 (地方時から ずれたもの, ) を とする. 太陽放射

(A.52)
(A.53)

と与えられる (例えば 小倉, 1999 を参照). 太陽からの距離 と赤緯 は,


と表される. ここで ω は近日点からの太陽の角度位置, は軌道長半径, は軌道離心率, は自転軸の傾き, は近日点からの春分点角度位置である. 以上の式を = , 火星中心黄径 を用いてまとめると,

(A.54)

となる.

本研究では = 0.093, = 25.2°, = 100°, = 591 Wm-2 とした. の値は Carr (1996) 図1-1 から算出し, その他のパラメータは 理科年表 2000 年版の値を用いた.


2次元非弾性系を用いた火星大気放射対流の数値計算
Odaka, Nakajima, Ishiwatari, Hayashi,   Nagare Multimedia 2001
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