A. 数理モデルの詳細   d. 放射モデル up previous next
4.d.v. ダストの光学パラメータ

本研究で考慮したダスト放射の波長領域とダストの光学パラメータを 表 5 にまとめる. 5-11.6 μm 赤外吸収バンドの光学的厚さ を用いて計算された可視光に対する光学的厚さと, 観測から得られている可視と赤外の光学的厚さの比 (本研究では Forget (1998) に従い 2) を利用して計算する. 20-200 μm バンドの光学的厚さは, と表 5 に示した の比から計算する.

赤外の光学的厚さを計算する際に上記のような方法を用いる理由は, それぞれの波長帯の消散効率を用いて計算された可視と赤外の光学的厚さの比 が観測結果とあまりよく一致しない (Zurek,1982) からである. 一致しない原因としては, 例えば 赤外よりも可視の消散に寄与するより粒径の小さいダストの性質がよくわかっていない, 等が考えられている (Zurek, 1982; Forget ,1998).


Table 5: 使用するバンドと光学パラメータ. である.
  バンド(μm) バンド(cm-2)
可視光波長領域 0.1-5 μm 2000-105 1.0 0.920 0.55
赤外波長領域 5-11.6 μm 870-2000 0.253 0.470 0.528
  20-200 μm 50-500 0.166 0.370 0.362


2次元非弾性系を用いた火星大気放射対流の数値計算
Odaka, Nakajima, Ishiwatari, Hayashi,   Nagare Multimedia 2001
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