線形化した回転円筒モデルの渦度方程式は,
(C.1)
である. ψ をかけて変形していくと, 各項はそれぞれ
ただし ▽2 は 2 次元のナブラ演算子である. したがって, 運動エネルギーの式は
(C.2)
さらに x 方向に平均をとれば,
(C.3)
ここで上線は x 方向への 1 波長平均を表している. 左辺第 1 項が運動エネルギーの時間変化, 第 3 項は粘性による運動エネルギー輸送の収束である. 右辺第 1 項は浮力による運動エネルギーの生成, 第 2 項が粘性による運動エネルギーの散逸に対応している.
左辺第 2 項はロスビー波の伝播に伴う運動エネルギーの収束であると解釈できる. 波型の解を仮定するとこの項の表すエネルギー流束がロスビー波の群速度に運動エネルギーをかけたものとなっていることが示される( Pedlosky 1987).