3.実験結果及び考察
 
3.4 不安定波の発達
 
時刻の変化は動画2と同様。

R ≧450では自然発生した螺旋状の定在渦が観察される。ただし、等値線が所々途切れていることや、完全に定在しているように見えないのはR が大きいところほど計測点の周方向空間分解能が悪くなるためである。

撹乱は波束を形成し、それを構成する波動は明らかに時間の経過とともに増幅している。また、波面の分布域も拡大していく。

波束の中央付近で速度変動の振幅が大きいのは、乱れによって基本流の構造が大きく変化しているためである。

t/T ≧0.572になると不安定波の波面がかなり明確になり、周方向にほとんど沿うような長い波面が波束の外縁側に観察できる(青矢印)。その進行方向は半径方向外側である。したがって、局所乱流塊の成長と共にそれらは視界から消えてしまう(t/T ≧0.836)が、内縁側後縁部に付随するそれらよりも等値線が細かく分かれて分布した別の不安定波(赤矢印)はかなり時間が経過するまで(t/T ≦1.452)観察することができる。残念ながら計測の空間分解能の制約からこれらの不安定波の波面はあまり明確でない。

 


 


動画3 速度変動の集合平均値<v >のR -f曲座標平面における等値線分布の時間発展.