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: 4.1.2 渦構造 : 4.1 循環の強い秩序渦() : 4.1 循環の強い秩序渦()

4.1.1 渦構造と時間変化について

2は秩序渦$\alpha =40$の 渦度 ${\mathbf \omega}=\nabla\times
{{\mathbf u}}$の等値面の時間変化であり、閾値には ${\mathbf \omega}$の各時刻での空間全体の二乗平均 $\omega_{\mathrm rms}(t)$の4倍を取っている。

図 2: エンストロフィーの時間変化($\alpha =40$)(動画をはじめるときは上のグラフをクリックしてください)。

投入後に秩序渦が2回転($t/T \simeq 2$)すると、 渦核の近傍では秩序渦によってワーム構造が$\theta$方向へと揃えられ、 伸張されていき、微細渦の $\omega_{\theta}$成分が増幅される。 秩序渦から離れた領域($r\sim 6r_0$)では渦の輸送や伸張はほとんど見られない。 この様な成長は秩序渦の差分回転によるものである[8]。 秩序渦には全体にわたってこぶ状の変化が $\vert{\mathbf \omega}\vert$の等値面上に現れはじめ、大規模渦構造の変化が励起されている。

投入後4回転($t/T\simeq 4.0$)では渦の伸張が続く。 伸張された微細渦は秩序渦を取 り囲み、渦核近傍でスパイラル状の構造 を取る。 またランダムに向いていた微細な渦は、ほぼ全てが$\theta$方向を向くように なり、渦核外での$r$, $z$方向の撹乱エネルギーの成長として現れる。 また秩序渦は長波長の変形が増幅されて、半径・周回方向の変動として現われる。

投入後6回転($t/T\simeq 6.0$)すると、渦伸張が更に促進され、その結果秩序渦周辺のスパイラル状渦の数密度が増加する。フィ ラメントは微細化され、渦表面近傍ではその傾向が著しい。また秩序渦の長波長変形は更に促進される。



Naoya Takahashi 平成14年9月17日