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: 4.1.3 秩序渦構造の変化 : 4.1 循環の強い秩序渦() : 4.1.1 渦構造と時間変化について


4.1.2 渦構造

特徴的なこれら2種類の渦の性質をより明かにするには、 閾値に依らない主観の入り難い方法で解析を行う必要がある。 このために、圧力ヘシアンに旋回条件を課して渦構造を抽出するMiura et al.[16,17]の渦軸抽出法を用いてそれぞれの渦構造の特徴を調べた(図 3)。 中心にある最も長い線は秩序渦である。 この線と渦度ベクトルの成分とを比較すると、大きな $\vert\omega_z\vert$を取る領域の中心線とほぼ一致する。 このため、$\omega _z$が秩序渦の構造を捉えているものと考えられる。 またその周辺に渦として抽出された微細構造は、 初期乱流場の中のワーム構造であったものと考えられる。これらの振舞いを渦 度成分と比較すると秩序渦に巻き取られ、周方向に揃った後は $\omega_{\theta}$の振舞いとほぼ一致する。

図 3: 渦軸の抽出($\alpha =40$)。(a)鳥瞰図、(b)$z$軸上方から、(c)側面から。 静止画は$t/T=2.1$(動画はそれぞれのグラフをクリックしてください)。

この様に秩序渦構造は$\omega _z$からなり、フィラメントは $\omega_{\theta}$の振舞いとほぼ一致する。このため、それぞれの構造解析は$\omega _z$ $\omega_{\theta}$ を用いる。



Naoya Takahashi 平成14年9月17日