b. 温度分布・質量流線関数(対流圏)
図 1 は温度の子午面分布と質量流線関数を示している. 太陽定数が増大するに従い, 温度の値自体は上昇し, 中緯度における温度の等値線の傾きは減少する. 太陽定数が増大すると大気の南北温度差は対流圏全層に渡って減少する. 鉛直方向にフィルターをかけてしまったため, 温度分布の図から対流圏の高さを判定するのはよろしくないと 思われる. 対流圏界面については, 凝結加熱分布 をもとに議論を行うのが良いであろう.
質量流線関数で特徴的なのは太陽定数の値が変化してもハドレー循環の幅はほ とんど変化しない点である. ハドレー循環の幅は Held and Hou (1980) の理論によって決まってしまって いるために, 地表面からのフラックス分布が変化しても影響を受けないた めと推測される.
図 1: 平衡状態における温度分布(K)と質量流線関数(Kg/sec).