特徴と見所は、
- 分子量の主成分(2.25)< 水蒸気の分子量(18) なので、 混合比 > qc=0.057 だと浮力は負になり得る。 →分子量効果の効き方は?
- 下に「海」が無いので下層は飽和していない。
→途中から雲対流となる?である。
標準的な成分水蒸気混合比は 0.015である。凝結成分は主成分より重いが、浮力を逆転させる程ではない。 結果の特徴ムービーはこちら(コマ間隔は1時間)。 対流の構造は二階だて構造で特徴付けられる。その特徴は:
である。 すなわち凝結高度が対流層の途中にあると、 なお条件によっては、雲が同じ場所で次々に生成する現象が見られる。ムービーはこちら(コマ間隔は30分)。 |
図 8: 木星の雲対流のスナップショット。 |
可逆的対流標準的成分のまま、雨の生成を除去する。 結果の特徴熱力学的には凝結高度が明瞭な境界面である。すなわち:
となっている。 これは雲対流の構造の決定における凝結物重力分離の本質的重要性を示す。 |
図 9:
雨の生成を抑止した場合の木星の雲対流。 |
凝結成分が多い場合水蒸気混合比は 0.246 である。これは浮力が正である限界値 0.057 より大きいので、浮力は負となる。 結果の特徴ムービーはこちら(コマ間隔は1時間)。 対流は三階だて構造である。その特徴は:
である。 これより、強い分子量効果を受ける対流の特徴は、凝結高度と対流開始高度の分離である。 対流開始高度は、水蒸気混合比(上むきに減少)が十分少なくなり、分子量効果を含めた浮力が負でなくなる高度として決まる。 |
図 10: 木星で水が極めて多い場合。 |