まず、凝結を伴わない断熱的な圧力変化の過程における 凝結成分の蒸気圧の温度依存性は、次のように求められる。 凝結成分が微量であることに注意すると、 鉛直運動に伴うパーセルの圧力変化によって生じる温度変化は、 熱力学第一法則
0 = cpn dt - V dp | (3) |
と理想気体の状態方程式
pV = RnT | (4) |
より、非凝結気体の熱力学量だけによる量として
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と求まる。 凝結が起こらなければ成分の変化は無いので、 パーセル中の凝結成分の分圧
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についても同様の関係
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がなりたつ。これは
(8) |
とおくと、
(9) |
と書ける。
一方、凝結成分の飽和蒸気圧の温度依存性は Clausius Clapeyron の関係
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により質量あたりの凝結の潜熱 Lと関係付けられる。
上の二つの式を比べると、飽和条件の近傍 ( pv〜pvsat ) において L > Lc ならば温度下降(すなわち上昇運動)に伴い飽和に到達して 凝結が生じ、一方、逆に L < Lc ならば下降運動に伴い凝結が 生じることがわかる。