conclude.gif (3324 バイト) QBO実験における内部重力波の可視化とWKB解析 結果−WKB解析との比較

QBO水槽実験を行い流れの反転の様子を鮮明に記録することができた。平均流を生じる条件としてはある程度波の振幅が大きいことが必要であることがわかったが、反転の周期に関しては規則性は見いだせなかった。

QBO実験における内部重力波を可視化するために、モアレを用いた新たな可視化法を開発した。この方法は一枚の縞模様だけで可視化する方法で水槽の形状に伴うモアレを生じないので、どんな形状の水槽でも波だけを可視化することが可能である。
この結果、内部重力波が平均流によって大きく変形されていることが確認できた。

また、実験で得られた平均流の流速分布から、粘性効果で落とされる波の運動量と伝播中の波の振幅をWKB解析から求めた。この結果から予想される内部重力波の像と、モアレ法により実験から得られた内部重力波の像とは非常によい一致を示している。運動量の収束発散と平均流の加速減速のパターンについても流速測定の精度の悪い膜近くではあまり一致していないものもあるが、おおむね一致しているといってよい。このことから、平均流中の内部重力波はWKB的な振る舞いをしていることが確認できた。