付録A4 -計算格子セルに基づく補助空間
付録A4 -計算格子セルに基づく補助空間 仮想粒子密度とボリューム・レンダリングによる流れの可視化 付録A3 -補助空間利用の粒子密度算出(SPM) 仮想粒子密度とボリューム・レンダリングによる流れの可視化

本稿で提案する可視化法を粒子追跡,粒子密度の算出,ボリュームレンダリングという一連の作業として考えると,流体計算との整合性が問題となる。 この場合,補助的な空間を導入するよりも流体計算を行った格子セルを用いて直接的に粒子密度を算出する方が可視化にともなう誤差は少なくなる。 なぜならば,計算格子セル上の計算値の精度が最も高いからである。 NGP的方法を計算格子セルに対して行うことは難しくない。 SPM的方法は格子系に依存しないので簡単である。 問題はCIC的方法である。 有限要素法の場合はセル内の分布関数が定義されており,面積座標や体積座標を用いるものが多いので,計算の中に可視化プロセスを組み入れることができれば,CIC的方法は比較的容易に実現することができる。 但し,粒子追跡時の効率面が問題となる。 ここでは,一般曲線座標系,構造格子を用いた計算に対する効率的な方法を考察する。

一般曲線座標系,構造格子の場合,粒子追跡,粒子密度の算出を計算空間で行えば,効率的な可視化が可能となる。 はじめに,計算空間を (ξ,η,ζ) とする。 式(3)を計算空間で解く[1]。 粒子の位置は計算空間で求められる。 粒子lの位置を (ξlll ) とする。 計算空間を利用すると,CIC的方法による仮想粒子密度の算出は,前節の補助的な空間を用いたものと同じものとなる。 すなわち,式(A3),(A4),(A5)によって粒子密度を求めることができる。 但し,ΔVは各格子セルの体積であるから,格子毎に計算しなければならないが,計算空間を基準としているので,文献1のヤコビアン J ΔV = J として利用すればよいことがわかる。

 

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