回転する偏心二重球内の流れ 仮想粒子密度とボリューム・レンダリングによる流れの可視化 球を過ぎる流れ場の可視化 粒子の追従性と拡散効果の導入 (1)

 

回転する二重球内の流れにおいては,内部球の回転があるレイノルズ数を超えると球間に再循環領域が生じる。 更に回転速度が上がると流れは軸方向に振動するようになる。 この現象は図9に示すように仮想粒子を追跡することで可視化することができる。 しかしながら,子午面流れが存在するため,仮想粒子を用いた長時間の可視化を行うと外部球の境界に沿った部分に粒子が分布するために,内部の状態が見えなくなってしまう。 そこで仮想粒子密度を用いた可視化を行った。 図10に動画を示す。 粒子は図中の外部球の底部から発生させている。 内部球に向かう粒子群が中間段階において広がりスパイラル状のパターンを示していることがわかる。 外部球の境界に沿う粒子層は薄いために光の透過度を高くしたボリュームレンダリングでは内部の構造のみを表示することが可能である。 これにより実験においてワイングラスとかオニオンと称される構造[14]が長時間に渡り明瞭に可視化できることが示された。

 

図9 回転する偏心二重球内の流れ

図10a 回転する偏心二重球内の流れ(粒子分布:動画)

図10b 回転する偏心二重球内の流れ(仮想粒子密度:動画)

回転する偏心二重球内の流れ 仮想粒子密度とボリューム・レンダリングによる流れの可視化 球を過ぎる流れ場の可視化 粒子の追従性と拡散効果の導入 (1)