第39回 数値流体力学シンポジウム
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■ 第39回数値流体力学シンポジウム ベストCFDグラフィックス・アワード 応募作品
投票方法の詳細につきましては,12月1日頃に参加登録者宛メールにて通知致します. また,シンポジウム会場にてお渡しする講演プログラム冊子にも投票方法を掲載致しております. 参加される皆様のご投票をお待ち致しております.
【投票締め切り:12月16日(火:学会1日目)19:00】

■ 静止画部門
作品P001 僧帽弁閉鎖時のシワを境界適合格子で解像する ST-SI-TC-IGA 法による高精度流体解析

    寺原拓哉(早稲田大学),滝沢研二(早稲田大学),Tayfun E. Tezduyar (ライス大学),小林祐顕(早稲田大学)

    本画像は,左心内流れを対象とし,僧帽弁の接触に伴う領域のトポロジー変化を捉えた解析結果である.僧帽弁は閉鎖時にシワを形成しながら非常に複雑な動きを示すが,その表面に発達する境界層を,物体適合型の移動格子により精度よく捉えている.

    本解析では,変形可能なスリップ面(SI)を用いて不連続な格子をスリップさせつつ,ST-TC 法により一時的に空間要素がゼロになる挙動を許容するという ST-SI-TC-IGA 法を活用し,シワに伴う局所的接触も含めた接触挙動を表現できている.

    右側には,僧帽弁の閉鎖の様子を示す表面格子と体積格子を配置し,左側には速度勾配テンソルの第二不変量の正の等値面を速度で色付けした流れ構造の可視化を示している.画像は高解像度のものを埋め込んであるため,拡大して詳細をご覧いただきたい.
作品P002 ジャイロミキサー内のながれ

    渡邊大記(大阪大学),金田直樹(大阪大学),A. H. P. ザンカ(大阪大学),後藤晋(大阪大学)

    塗料の撹拌で非常によく用いられる『ジャイロミキサー内の気液混相流』を、有限差分法、レベルセット法、および埋め込み境界法を用いた直接数値シミュレーションにより、世界にさきがけて求めました。数値シミュレーションにより得られた流れ場は、可視化実験の結果とよく一致していることが分かります。
■ 動画部門
作品M001 僧帽弁尖の接触動作を解像した左⼼室内の⾼精度流体解析

    寺原拓哉(早稲⽥⼤学), 滝沢研⼆(早稲⽥⼤学), Tayfun E. Tezduyar (Rice University), ⼩林祐顕(早稲⽥⼤学)

    本研究では,左心内の流れを対象に,僧帽弁の接触に伴って領域のトポロジーが変化する現象を解析した.この複雑な挙動を扱うために,境界適合型の移動格子を使用できる Space–Time (ST) 法を用い,接触時まで境界層を捉えつつ高精度に計算するために ST-SI-TC-IGA 法を適用した.移動格子には 2 次 B-spline が用いられている.
    本動画では,速度勾配テンソルの第二不変量の正の等値面を速度で色付けした可視化と僧帽弁表面の壁面せん断応力分布を示している.接触時に形成される渦や,開放後に生じる弁輪からの渦構造がよく捉えられていること,また弁の表裏で異なるせん断応力を計算できる点は,本手法ならではである。
作品M002 超音波による気泡クラウドの体積振動

    山下航輝(東京大学),阪英悟(東京大学),渡村友昭(東京大学),高木周(東京大学)

    複数気泡の運動方程式を数値解析し,外部からの駆動圧力によって気泡が体積振動・並進運動する様子を再現した.
作品M003 原子力船溶融塩炉ガス分離機設計に向けた気液分離シミュレーション

    堀内雄介(東京科学大) , 松下真太郎(東京科学大) , 末包哲也(東京科学大)

    本動画では、原子力船の溶融塩炉におけるガス分離機の設計に向けて、気液二相流の分離過程をシミュレーションしました。
    旋回流によって気液が遠心分離され、その後、中心に集まったガスが分離装置により回収される一連の過程を可視化しています。
    表現方法として、
    • レイトレーシングを用いた可視化
    • Q値の等値面による渦構造の可視化
    の 2 種類の動画を用意しました。
作品M004 6自由度の動揺を付与した浮体式風車のウエイクシミュレーション

    澁谷光一郎(九州大学),内田孝紀(九州大学)

    浮体動揺によって風車が動くと風車のウエイク構造が大きく変化する.本計算では6自由度の動揺を付与しており,ウエイクが上下左右に動く様子を可視化することに成功した.
作品M005 IEA 15 MW風車の後流に配置された風車の流体解析

    早川 亮太郎(早稲田大学),劉洋(早稲田大学),石山萌花(早稲田大学),乙黒 雄斗(早稲田大学),滝沢研二(早稲田大学),Tayfun E. Tezduyar(ライス大学)

    二台の風車の流体解析を行った.二台目の風車は,一台目から風車直径の 4.75 倍下流側に配置している.この配置では,後方の風車の発電量が大幅に低下することが確認された.
    本動画では,風車の設置イメージに加え,流れ場に形成される渦構造を可視化し,二台の風車の出力特性について説明している.
作品M006 Comparative Internal Flow Dynamics Across Viscosity Ratios

    苗村侑生(九州大学大学院工学府機械工学専攻)

    本作品は、細胞を模したカプセルモデルに対して膜変形を与えた際の内部流動を、数値流体解析により可視化したものである。内外粘度比 L=1,10,100における流れ構造の変化を比較し、各条件で発生する細胞質流動や渦構造をストリームラインで示している。膜変形により誘起される内部流れの特徴を簡潔に理解できる映像となっている。
作品M007 空調用圧縮機内部の冷媒流れのAMR法を用いた非定常シミュレーション

    佐野聡紀(東京科学大学)、青木尊之(東京科学大学)、長﨑孝夫(東京科学大学)、松下真太郎(東京科学大学)、川畑真一(ダイキン工業株式会社)、妹島周吾(ダイキン工業株式会社)

    空調用圧縮機の内部には高速回転するローターや様々な部品があり、非常に複雑である。AMR法を用いて高解像度格子を物体表面近傍に動的に配置し、Dual Contouring法を導入したFAVOR法やCell Merging法と組み合わせ、CUDAで実装した弱圧縮性流体コードを用いて冷媒の流れを複数GPU上で高速に計算する。
作品M008 イルカが描く渦の階層

    本告遊太郎(大阪大学)、村端秀基(大阪大学)、後藤晋(大阪大学)

    イルカの自由遊泳の数値シミュレーションを行いました。数値手法は、格子ボルツマン法と埋め込み境界法の組み合わせです。得られた乱流場に対して、スケール分解を用いることで、イルカが生成する「渦の階層」を描きました。
    大きな渦輪が尾びれの振動とともに発生し、これが後ろ向きの運動量を生成します。一方、これよりも小さな渦は、大きな渦の周囲に発生し、運動量の生成にはあまり寄与しません。イルカが描く「渦の階層」を可視化することで、このことを明確に示しました。
作品M009 ゼブラフィッシュ後脳における血流シミュレーション

    冨澤駿(東大院機械), 中嶋洋行(国立循環器病研究センター研究所), Zhen Li(Clemson University), 長谷川洋介(東大生研 革新的シミュレーション研究センター)

    計算領域に再構築されたゼブラフィッシュの後脳血管網において散逸粒子動力学法(DPD)による血流シミュレーションを行いました。
    動画において赤血球(赤)、ナノ粒子(青)、および血管構造を可視化しています。
作品M010 Flow Analysis of an IEA 15-MW Reference Wind Turbine Considering Blade Deformation Due to Thrust

    石山萌花(早稲田大学),劉洋(早稲田大学),早川亮太郎(早稲田大学),乙黒雄斗(早稲田大学),滝沢研二,Tayfun E. Tezduyar(ライス大学)

    IEA 15-MW 参照風車の流体解析の可視化である.ロータの回転運動および変形を捉えるため,ブレード境界層部分には独立した格子を設け,それらを Space–Time Slip Interface(ST-SI)法によって接続している.また,ブロッケージ率を 3% 未満に抑えるため,注目領域とそれ以外で解像度を変えている領域では,T-spline を適用することで,独立格子ではなく滑らかな関数により連続的に接続されている.
作品M011 タイヤの回転と接地動作を解像したT-Splineによる自動車の高精度流体解析

    小林来生(早稲田大学),徐兆京(早稲田大学),Evangelin Lobo(早稲田大学),滝沢研二(早稲田大学),Tayfun E. Tezduyar(ライス大学)

    従来のアイソジオメトリック解析では構造格子を基本としていたため,解像度が不要な領域にも高解像度な格子が存在していた.本研究では T-spline を活用することで,格子品質を保ちつつ必要な領域のみを高解像度化し,適切なアスペクト比を持つ格子を構築した.

    動画では,解析領域全体から車体近傍にかけて格子解像度が変化する様子と,タイヤの回転を表現する格子が接地に応じて変形する様子が確認できる.車体表面および接地面近傍が細かく解像されている.

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