第39回 数値流体力学シンポジウム
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■ 第39回数値流体力学シンポジウム ベストCFDグラフィックス・アワード 受賞作品
今年は静止画部門2件,動画部門11件,計13件の応募があり, その中から参加者の投票および審査員の選定によって4作品の受賞が決定しました. 受賞者の皆様,おめでとうございます.
以下に受賞作品を掲載します.

優秀賞(静止画部門) ジャイロミキサー内のながれ

    渡邊大記(大阪大学),金田直樹(大阪大学),A. H. P. ザンカ(大阪大学),後藤晋(大阪大学)

    塗料の撹拌で非常によく用いられる『ジャイロミキサー内の気液混相流』を、有限差分法、レベルセット法、および埋め込み境界法を用いた直接数値シミュレーションにより、世界にさきがけて求めました。数値シミュレーションにより得られた流れ場は、可視化実験の結果とよく一致していることが分かります。
優秀賞(動画部門) イルカが描く渦の階層

    本告遊太郎(大阪大学)、村端秀基(大阪大学)、後藤晋(大阪大学)

    イルカの自由遊泳の数値シミュレーションを行いました。数値手法は、格子ボルツマン法と埋め込み境界法の組み合わせです。得られた乱流場に対して、スケール分解を用いることで、イルカが生成する「渦の階層」を描きました。
    大きな渦輪が尾びれの振動とともに発生し、これが後ろ向きの運動量を生成します。一方、これよりも小さな渦は、大きな渦の周囲に発生し、運動量の生成にはあまり寄与しません。イルカが描く「渦の階層」を可視化することで、このことを明確に示しました。
優秀賞(審査員特別賞) 僧帽弁尖の接触動作を解像した左⼼室内の⾼精度流体解析

    寺原拓哉(早稲⽥⼤学), 滝沢研⼆(早稲⽥⼤学), Tayfun E. Tezduyar (Rice University), ⼩林祐顕(早稲⽥⼤学)

    本研究では,左心内の流れを対象に,僧帽弁の接触に伴って領域のトポロジーが変化する現象を解析した.この複雑な挙動を扱うために,境界適合型の移動格子を使用できる Space–Time (ST) 法を用い,接触時まで境界層を捉えつつ高精度に計算するために ST-SI-TC-IGA 法を適用した.移動格子には 2 次 B-spline が用いられている.
    本動画では,速度勾配テンソルの第二不変量の正の等値面を速度で色付けした可視化と僧帽弁表面の壁面せん断応力分布を示している.接触時に形成される渦や,開放後に生じる弁輪からの渦構造がよく捉えられていること,また弁の表裏で異なるせん断応力を計算できる点は,本手法ならではである。
優秀賞(審査員特別賞) 超音波による気泡クラウドの体積振動

    山下航輝(東京大学),阪英悟(東京大学),渡村友昭(東京大学),高木周(東京大学)

    複数気泡の運動方程式を数値解析し,外部からの駆動圧力によって気泡が体積振動・並進運動する様子を再現した.

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