特集 ながれの電子出版について/城之内 忠正

6.現実的な路線

現時点では,学会誌「ながれ」をすべて電子化するという決定がなされているわけでもないし,技術的には,XML文書をPDFに変換するソフトがまだ無いようです.当面はマルチメディア論文を試行しながら,電子化の流れを模索する期間が続くと思われます.その場合,マルチメディア論文をHTMLからXHTMLへと移行すればよいでしょう.そうすればXHTML文書は自由にコンピュータ処理できますから,様々な事態に対応できます.もともとXHTMLはHTMLからXMLへの移行を想定して考えられたもので,HTMLのタグセットがそのまま使えるようになっています.つまり,いくつかの制約を満たして記述すればXHTML文書が容易に作成できるとともに,現在広く用いられているブラウザでも表示できます.

当面は文書のコンピュータ処理を意識してXHTMLで記述するというわけです.

実際に電子出版が始まるためには,Webサーバと結びついたWebアプリケーションシステムが必要になります.小さな学会がそのようなサーバを運用するには無理があるので,Web出版やデータの保管と変換を外注するという可能性もあります.ともかく,いろいろな可能性があり,現時点では先が見えないのです.そしてこういう状況では,変化に柔軟に対処できるようにしておくことだと思います.