特集 ながれマルチメディア ―― 学会電子化への実験/酒井 敏

さらに特筆すべきことは、通常の論文であれば、発行直後に多く読まれた後は、指数関数的に読者は減ると思われますが、その傾向がまったく違うのです。図1は、各論文に対するアクセスファイル数の時間変化をグラフにしたものです。時間とともに減るどころか、約2年で倍近くアクセスが増えているのです。これは、おそらく読者の多くが検索エンジンからこのサイトにアクセスしていて、インターネット人口の増加がそのまま反映されているのではないかと思います。ということは、今後のIT革命が進むにつれ、この数字はけた違いに大きくなる可能性があるわけです。



図1
各論文のアクセスされたページ数を、月ごとに集計したもの。2000年7月のアクセスが少ない理由のひとつは、トラブルのためある期間、一部の論文がアクセス不能になってしまったためである。