図11は,2本並列モデルで定常()になる状態を,平均の流速を横軸に,入口と出口の圧力差を縦軸にとってプロットしたものである.図11の点O,A,B,C,Dの状態はそれぞれ図7の点O,A,B,C,Dの状態に,図11の点Cn,Bn,Pnはそれぞれ図7の点C1とC2,点B1とB2,点P1とP2の状態に対応している.
図 11. 2本並列モデルの特性 |
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ここで,すなわち点Oの状態から,平衡状態を保ちながら少しずつを増していく場合を図7,図11を見ながら考えると,始めの間はOA上にただ一つ安定な定常解を持ち,この状態はLLである.さらに を大きくすると,点AでAPn上の点で表される安定な状態とAB上の点で表される不安定な状態とに解が分岐する.APnの状態はLN,ABの状態はNNで表される.APn上の状態はでPnCn上の状態,すなわちLHへ移り,AB上の解はとなる点BでBCn(不安定解)とBD(安定解)とに分岐する.BCnはNH,BDはHHの状態である.
図 12. 2本並列モデルの分岐の模式図 |
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から平衡状態を保ちながらを大きくしていくと,矢印のように流れの状態が変化する.NNとNHは不安定な状態で,LHとNH(@とした分岐)は点Cnで同じ状態になる. |
この分岐の様子を図12のように模式的に書くことができる.実際の流れの状態は矢印のようにLL→LN→LH〜HH(図11でO→A→Pn→Cn〜C→D)と移っていく.逆に点Dの状態から平衡状態を保ちながら少しずつ を小さくしていく場合にはHH〜LH→LN→LL(D→B〜Bn→Pn→A→O)と流れの状態が変わっていく.ただしこのとき,LH〜HH(Cn〜C)となるのはのとき,また逆にLH〜LN(B〜Bn)となるのはのときで,3-2でも触れた様に履歴現象が見られる.