D.その他の特徴  

D.4 突起を形成する原因

図D.4 着色した液滴を,深さ5mmの流体層に衝突させた時に撮影された画像.

Gueyffier and Zaleski (1998) は, 王冠部先端の突起の形成に,表面張力は必ずしも必要ない事を数値的に示し ているが,突起が形成される要因については示されていない.突起を形成する原因は何であろうか.

図D.4は,赤く染色した液滴を,深さ5mmの流体層に流体層に衝突させた時の画像である.同心円状の構造(これを,クラウン類似の構造とみなす)の内側に注目すると,染色した流体が上昇しているような構造が,周期的に現れている様子が見られる.

この周期的な構造を上方に延長すると,突起の痕跡と思われる盛り上がりがあることから考えると,この周期的構造によって突起が形成されていると考えることができる.

おそらく,クラウンを形成する流体の上昇は一様でなく,周期的に強く上昇する領域が存在し,それによって突起が形成されているのではないだろうか.