振動ステージは図1にあるように 積層型圧電素子を2つ 用いた構造になっている. これによって様々な振動を与えることが可能になっている. 本論文では左右の圧電素子に 同位相の信号を加えた場合(軸対称振動)と 逆位相の信号を加えた場合(非軸対称振動)を考える. その結果,特定の加振振動数で 図2にあるような表面張力波が共鳴的に発生し, 内部の流体が撹拌されている様子が観察された.
液滴内の流体粒子が表面張力波によって撹拌され, 特徴的な軌跡を描いた様子を高速度ビデオカメラで観察した. 液滴を構成する液体は,(1)塩酸 と水酸化ナトリウム の混合溶液, (2)水のみ,の二種類を用い,ともに液滴の体積がとなるようにした. 実験したときの温度は25 , 湿度は30%( + の軸対称振動), 40%( + の非軸対称振動の場合, の非軸対称振動) であった. このときの代表的な流体粒子の軌跡とその概念図を図3に示す.
軸対称振動を与えた場合,一時的に軌跡2を描き,持続的には軌跡3を描いた.
また非軸対称振動振動は軌跡2の回転運動をした.
更に,同じ振動数で揺らした時でも途中で軌跡が変わり,
図3に挙げた軌跡や更に複雑な
軌跡を描くことがあった.
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流体力学的な解析は次節以降で行うが, まずこの実験を支配するメカニズムが非粘性表面張力振動であることを 示すために重力と粘性の影響を評価する.
重力の影響は重力と表面張力の比であるボンド数で評価される.
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動粘性係数が のときのストークス層の厚さは, に比例する. これと液滴半径との比をとり,粘性がどの程度の影響を与えるのかを調べた.
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