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3.2 流れ方向に一様な温度擾乱を与えた場合
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3 非線形時間発展の結果
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3.1 1点に温度擾乱を与えた場合
初期時刻
において、層の中間(面
上)の1点に微小な温度擾乱を与えて時間発展させた。
左上:
での温度場(
-
断面)
右上:鉛直平均した場(順圧成分)に対する流線関数(
-
断面)
左下:
での温度場(
-
断面)
右下:
,
方向に平均したシア流速
a. 点
に与えた場合
アニメーション
b. 点
に与えた場合
アニメーション
c. 点
に与えた場合
アニメーション
d. 点
に与えた場合
アニメーション
いずれの場合も、まず初期擾乱がsin型シア流によって移流され、
頃に
方向に軸を持つロール状対流が形成され始める。古川 & 新野(2006)[
4
]にあるように、領域
は
に比べてより慣性的に安定であるため、初期擾乱の位置に依らず
の領域でロール状対流ができ始める。
方向に平均した流速
の分布に見えるギザギザは、
方向のロール状対流と対応している。上面における上昇流からの吹き出し、及び下面における下降流からの吹き出しがコリオリ力を受けて加速された結果生じる
のピークの位置が上面・下面でずれるために、鉛直平均してもその影響が残るためである。これはシアが無い場合(
)の
断面図
を見ると分かりやすい。
a.とc.の場合は
頃にはロール状対流が完成するが(
方向に波数8)、初期擾乱を与えた位置のロールには
方向に波数6,7程度の擾乱が残っている。これが発達し、
以降にはロールが崩れて大きな波数1の擾乱が発達する。
b.とd.の場合も
頃にはロール状対流が完成する(
方向の波数8→9)。こちらは
方向に擾乱も無く定常になるかに見えるが、
頃に
の領域で
方向に波数6程度の擾乱が現れ、こちらもやがて波数1の大きな擾乱が発達する。
以上より、慣性的な安定度が低い領域
でロールができた後に波数1の擾乱が発達するという古川 & 新野(2006)[
4
]の結果が再現された。ただしa.やc.のように、この時間発展は初期擾乱に対する依存性が大きい。ノイズを減らして系自体の不安定を見るために、次は
方向に一様な初期擾乱を与えて時間発展させる。
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SAITO Naoaki
2008-03-07