図3-9: c ≤ 1.72 の場合の連続モードの水平構造

図3-9 に, log E=-0.20, c ≤ 1.72 の場合における 典型的な連続モードの構造(左図)と分散曲線上の位置(右図の青丸)を示す. この場合では, 赤道ロスビー波モード(Rossby)的な構造と連続モード(C)の構造が現れる.

図3-9 に示されたモードの臨界緯度は y=-1.07 であり, y=-1.10 付近に存在するジオポテンシャルの振幅のピークは 連続モードの構造に対応したものであると考えられる.

y=1.60 付近に存在するジオポテンシャルの振幅のピークは 赤道ロスビー波モードの構造に対応すると考えられる. その理由は, このモードの分散曲線(図3-9 右)が, 赤道ケルビン波モードの分散曲線と西進 混合ロスビー重力波モードの分散曲線との間に位置しており, 存在している可能性があるモードとしては赤道ロスビー波モードしかないこと, 図3-9 (左)の y=1.60 付近の地衡風的な構造も赤道ロスビー波の構造と 矛盾しないことである. この位相速度の範囲内(c ≤ 1.72)では, c が減少 するにつれて, 赤道ロスビー波モード的な構造は弱くなり, 連続モード自体の構造が顕著になる.

図3-9: log E=-0.20, k=0.10, c=0.93 の連続モードの水平構造(左図)と分散曲線上の位置 (右図の青丸). 水平構造の図の等値線はジオポテンシャル(φ), ベクトルは速度場(u,v)を表す. 等値線間隔は, 1.00 × 10-1 である. 右図中の記号の意味については, 表1 を参照のこと.

図3-9: c ≤ 1.72 の場合の連続モードの水平構造