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時間水平平均した凝結性成分気体の鉛直分布を図 3.3 に示す. 3 種類の凝結成分気体の混合比は H2O 凝結高度の下ではほぼ一様である. NH3 と H2S 混合比は明らかに, それぞれの凝結高度ではなく, H2O 凝結高度付近より上空において, 高度と共に減少を始める. この特徴は鉛直 1 次元の熱平衡計算から予想される分布とは異なる.
時間水平平均した雲の鉛直分布を図 3.4. 図 3.2 (a) に示した雲分布のアニメーションだけでなく, 時間水平平均した雲の鉛直分布においても, H2O と NH4SH の雲粒が NH3 凝結高度より上空に存在する様子が示される. この雲の鉛直分布の特徴は雲平衡凝結モデルから予想されてきた 3 種類の雲が別々の高度に分かれて存在するという従来の雲分布 (図 1.1) とは大きく異なるものである.
図 3.3: 水平・時間平均した凝結性成分気体の混合比の鉛直分布. 赤線, 青線, 緑線はそれぞれ H2O, NH3, H2S 蒸気の混合比を表す. 実線は計算結果から得た分布であり, 破線は熱平衡計算から求めた分布である. 時間平均は 0.9 × 106 -- 1.0 × 106 秒の範囲で行った.
図 3.4: 水平・時間平均した雲の混合比の鉛直分布. 赤線, 青線, 緑線はそれぞれH2O, NH3, NH4SH 雲の混合比を表す. 時間平均は 0.9 × 106 -- 1.0 × 106 秒の範囲で行った.
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