e. 南北エネルギー輸送
実験 S1800 における乾燥静的エネルギー,
潜熱エネルギーの南北輸送量を 図 1 に示す.
繰り返すようにこの場合では定常状態にないので, この図で
示される収支には残差が存在する. つまり, 大気が加熱される分,
水蒸気が 大気中に蓄積される分が残るわけであるが,
平衡状態との相違を見るため示 しておくことにする. エネルギー輸送量を比較すると, 乾燥静的エネルギー輸送に比べ 潜熱エネルギー輸送の方が大きい. この結果は, 実験 S1570 の場合と同様である. 平衡状態と大きく異なる点は, エネルギー輸送量分布の南北非対称性が顕著 となる点である. 輸送量の内訳では, 平均子午面循環成分が卓越している. 中緯度の擾乱については, 傾圧不安定による擾乱なのか, あるいは CISK に よって駆動される擾乱なのか, その実態は明らかにされていない |
(a) (b) |