波の振幅が十分に大きいときには、平均流が生じる。上部で右向きに平均流が流れているときの内部重力波の伝播の様子を図7に示す。
平均流がないときには、右向きと左向きの波が同じ振幅で存在し、定在波を作っていたが、流れが存在する場合には流れと同じ向きに伝わる波は吸収される。特に波の位相速度と流速が等しくなるところをクリティカルレベルといい、波はそのレベルを越えて伝播できない。図7では、平均流と同じ向きに伝わる波が吸収され、左向きに伝播する波が卓越していることがはっきりわかる。また、平均流にはクリティカルレベルは存在しない。
さらに平均流は交互に反転する。その時の内部重力波のパターンを可視化したものが図8である。平均流の変化にともなって波のパターンが大きく変化している。