座談会「流体力学の基礎教育」

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〔山田〕:私も実は回転落下円筒の実験をやったんですが, 今見たほど見事じゃなかった. 私は, 松井先生の講義を受けまして, 谷先生の初版本ですね. テキストに使われていたんです. 私が名工大に赴任して流体の講義をするようになってから, 実はこの実験をやったんです. ところが, 私は, 大きいケント紙で, 直径10センチ, 長さが30センチぐらいだったでしょうか. そうしますと, 今のように短い距離であんなに曲がらないんですね. それで, 私は教壇の上によじのぼりまして……. (笑) ああいうことをやれば, もっと見事にできたんですけれども, そして, 天井に近いところで落下させるんですね. それで, やっと床から130センチほどの所まで落ちて来て, ひゅーっと曲がるんです. それでも学生は拍手してくれたんです.
 それで, 我々の学科では, 先ほど申しましたように, いろいろな種類の先生方が講義されるものですから, 計測といいますと制御とか, 電気のほうに比較的人気があるんですね. いい学生も時々来てほしいので, できるだけ魅力的な, おもしろいということを第一の観点にして授業をやっていたものです. それで今の実験などをしました. 私自身は実験でスモークファイヤをよく使っていますが, 教室でただ発煙させるだけでも意外と学生の皆さん関心を持って, はっと見てくれるんですね. それは非常に効果があると感じました.
 よく知られていますように, ピンポン玉を浮遊させますね. 小さな送風機で ── 掃除機でもいいですね. それで, 真上でなくて, ちょっと斜めに浮遊させますと, びっくりするんです. 鉛直に対しかなり低い角度でも噴流の速度が大きいと, ピンポン玉はノズル出口から30センチほど離れたあたりでも浮いているんです. それが魔法でもないんですけど, 学生は非常にびっくりいたしますね.


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