座談会「流体力学の基礎教育」

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〔木村〕:そうです. 実験というのは, いつでもパターンを見たり, それがどう時間変化したりするということを視覚情報として見るわけです. 自分が視覚情報からどれだけ流体のことを納得した気分になるかどうかということが問題です. 多くの人に対しては視覚情報はすごくわかった気分にさせる力を持っているような気がします. ごく少数の人は, 視覚情報なんかだめなんです. 何とかイコール何とかという, そういうフォーメーションでないと, どうしてもわかった気分にならないという人もいます.
 私は, 理論というのは, 一般論ができることだと思います. 一つの理論を理解することによって, いろいろなところに応用がきく. そこに理論のパワフルなところがあると思うのです. 実験というのは, いつでも具体的に, 流れだったら, 流速は秒速何センチで, スケールは何センチだという, 非常に具体的なものです. しかし, 学問というのは, 一般論, 非常に広い世界を認識しようという希望がいつもあって, 流体力学でも, 根っこを押さえて, それを流体のすべてにアプライしたいわけです. ところが実験というのは具体的なものですから, 応用が限定されています. 一般性論とすぐに結びつかないわけです.


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