〔笠木〕:コンピュータを使ったシミュレーションが, 実験の中に将来組み込まれていくのではないかと思います. つまり, シンセシスとしてのシミュレーション. 今まで, 流体力学を教えるときに, アナリシスに傾いていたと思います. きちんとしたアナリシスを教えて初めてきちんとしたシンセシスができるというのは当たり前の話だと思うんですが, これからはもっとシンセシス思考でいかなくちゃいけない. コンピュータの力をかりて流体力学を初めとする原理原則から新しい機械の原理を創造する. 最近, マイクロマシンというような言葉をよく耳にしますが, ああいうものも今すぐ現実にはできないけれども, コンピュータの中でそれをつくって, 例えば乱流のフィードバック制御ができるじゃないかということになれば, そこから発展したアナリシスなりシンセシスなりが構想されてくる. そういうシミュレーションの役割も今後注目していきたいなという気がしております.
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