対流の水平スケールに Ta に対する極大が存在することがわかった. この極大がどのような理由に基づくものかを調べるために, 上記の関係を無次元化して考察しよう. 長さを H, 速度を U = (αgΔTH )1/2, 時間をH/U , 温度をΔT で無次元化する. 流量は2次元流量を q = UHq* とおく. このとき, 3次元流量は Q = UHLq* とすれば, 係数の違いを除いて同様な式が得られる. 以下, 無次元化した量を上添字 を付して表すことにする. 地衡風関係 (8) は,
対流に伴う流量は, (17) と (11) を用いて,
対流の上昇流と下降流の温度の差は, (10), (11), (12) より,
対流に伴う熱フラックスは, (18) と (13) から,
となる. 水平スケールは, (19) より,
さて, Ta に対する依存性を調べよう. まず, 地衡風は, (23) より,
対流に伴う流量は, (23), (24) より,
ΔTc は, (25) より,
となる. よって, L* を (30) 式を用いて次のように表すと, Ta に対する依存性が理解される:
Ta が大きいとき, ΔTc* はほとんど変化しないので, (q* L* ) の Ta 依存性が 結果として L* の Ta 依存性を決めている. すなわち, Ta が大きいときは, (V0* L* ), (q* L* ), L* は ともに Ta とともに小さくなる. 一方, Ta が小さいときには, ΔTc* が Ta とともに大きくなるので, この依存性により L* は Ta とともに大きくなる. すなわち,