数値計算 (3) 熱フラックス固定境界条件での回転円筒内の熱対流 数値計算 (2) 物理的解釈
図7

Rayleigh 数の大小による変化

img65.gif (20931 バイト)

一方, 図7 は 図6での場合と比較して 小さいレイリー数の場合と比較したものである. (a) の場合に比較して, (b) では横長の対流セルのみが 存在していることがわかる. ちょうど (b) で選んだレイリー数では (a) の場合に存在した水平波数 6 付近の 不安定モードが安定となってしまうために, 水平波数 0 付近の不安定モードに対応する対流運動のみが 発達している.

レイリー数が小さい (b) の場合に見られる 鉛直方向に一様な温度擾乱の構造は, 先の線形解析で行なった鉛直波数 1 までで 切断した系により表現される構造と整合的である. しかしながら (a) の場合に見られる温度構造は 鉛直方向に一様ではなく複雑な構造を持っている. このことからレイリー数が大きくなると, 鉛直波数切断系での解析結果は 近似を行なわない系での対流の線形的な性質とは 定量的にずれてくるであろうと予想される. しかしながら, 図7 の様なレイリー数による対流構造の 変化といった定性的な性質は, 切断系による解析結果により表現されていると考えられる.


数値計算 (3) 熱フラックス固定境界条件での回転円筒内の熱対流 数値計算 (2) 物理的解釈