3. 結果 |
3.2 流れ場の時間変化と混合・輸送障壁
3.2.2 非周期解でのようす
非周期解でも、極渦は東向きに周期約4日で回転している。準周期解と同様に、ジェット付近でのプラネタリー波はおよそ波数1と波数3の重ねあわせであり、その2つの波の位相が重なるときに間欠的にプラネタリー波が砕波しているようすが見られる。
ムービー2: 非周期解における多数の粒子の移流のようす (avi; 77MB)。 ムービー2はムービー1と同じように粒子をおいて実験を行った結果である。粒子は短時間で広い範囲に散らばり、混合されている。 最初にシアーによって東西方向に大きく引き伸ばされ、 さらに引き伸ばし・折りたたみを繰り返すことにより効率よく混合される過程は準周期流の場合と同様であり、カオス的に混合されているといえる。
渦の外側でも内側でも、準周期解の場合と比べてより広い領域に、より均一に混合されている。PVの勾配が大きい極渦の縁はやはり輸送障壁としてはたらく。この場合、準周期解のような「ずれ」は存在せず、障壁はちょうど縁の上にある。 プラネタリー波の砕波にともなってわずかに極渦の外側にもれる粒子が存在するが、 ごく限られたものだけである。また、90日たっても極渦の中心に粒子の入らない領域が残る。 三角形型や三日月型の領域に加えて、それを取り囲むように3つの島状の構造も見える。