ロスビー波による解釈 -(2) 粘性の効果 目次 ロスビー波による解釈 -(1) 分散関係による説明 ロスビー波による解釈 -(3) エネルギー収支
図: 粘性の効果を考慮してロスビー波の分散関係から求めた流線のパターン. E=10-4の場合. z=0.5から波を射出している. 与えた水平波数と振動数は対応する臨界付近での値を用いている. P=5,10 の場合には z方向の減衰が激しいので描いていない. 上が分散関係から計算された流線のパターン. 下が臨界状態付近の対流の流線.

wkbpsi.gif (384013 バイト)

粘性の効果が存在する場合にロスビー波がどの程度の距離まで伝播できるのかを計算してみたのが上図である. z=z0 から z 正方向に射出された波は, 鉛直群速度 Cgz で伝わるうちに 粘性の効果によって単位時間あたり P(k2+m2) の割合で振幅が減衰すると考えられるので, 流線を

\begin{displaymath}
\psi = \psi_0 e^{ikx+i\int_{z_0}^z m(z)dz}
\cdot e^{-\int...
...z},
\quad C_{gz}(z)= -\frac{2P\eta(z)km(z)}{[k^2+m(z)^2]^2},
\end{displaymath} (9)

と計算した.

プランドル数が大きくなり粘性の効果が強まるにしたがって上へ伝播できる距離が短くなる様子が見られる. その伝播する距離も求められたらせん状対流構造と同程度となっている.


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