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: 4. 結果 : 秩序渦と乱流場との相互作用について : 2. 数値計算方法


3. 計算コードの確認

DNSによって得られた結果の精度を確認するため、 Lamb-Oseen渦の厳密解との比較を次の様に行った。 まず初 期撹乱場を入れないLamb-Oseen渦のみのDNSを行い、数値的に得られた流れ場から 渦度の$z$成分 $\omega_z({\mathbf x})$を計算し、 $\theta$$z$方向に平均を次の様に取る;
\begin{displaymath}
\left\langle{\omega_z}\right\rangle (r) = \int_0^{L_z}\int_...
...\omega_z(r,\theta,z)
{\mathrm d}\theta {\mathrm d}z/2\pi L_z
\end{displaymath} (5)

ここで$L_z$$z$方向の流さの周期である。

試験計算から求めた $\left\langle{\omega_z}\right\rangle (r)$をLamb-Oseen渦の厳密解と比較し、精度を確認した。このときの $\left\langle{\omega_z}\right\rangle (r)$はGauss型の分布に非常によく一致するため、 この統計関数から半径$r_0(t)$$\Gamma(t)$をフィッティングで求め、厳密解と比較する。 このとき用いられるフィッティング関数$f(r)$は、Lamb-Oseen渦の層流解から類推したフィッティング関数$f(r)$

\begin{displaymath}
f(r) \simeq \frac{\Gamma(t)}{\pi r^2_0(t)} \exp\left( -\frac{r^2}{r^2_0(t)} \right)
\end{displaymath} (6)

とし、これより半径$r_0(t)$と循環$\Gamma(t)$1を見積もった。フィッティングには非線形最小自乗法のLevenberg-Marquardt法[14]を用いた。

DNSの結果から見積られた半径$r_0(t)$と循環$\Gamma(t)$は、Lamb-Oseen渦の層流 解の半径$r^{LO}_0(t)$と循環 $\Gamma^{LO}(t)$

$\displaystyle r^{LO}_0(t)$ $\textstyle =$ $\displaystyle \sqrt{r_0^2+4\nu t},$ (7)
$\displaystyle \Gamma^{LO}(t)$ $\textstyle =$ $\displaystyle \Gamma_0({\mathrm const})$ (8)

と比較され、$t/T\simeq 10$まで$1\%$未満の誤差で一致していることを確かめた。 従って、この時刻までは、第2節の数値計算法により秩序渦の時間変化を適切に捉え、かつ秩序渦同士の周期的境界条件の影響も無視できると言える。



Naoya Takahashi 平成14年9月17日