4. 解析

4.3 表面張力波解

これまでは,ミルククラウンのような現象は,これまでは主として表面張力波として考えられてきた.Yalin and Weiss (1995) の様に,ミルククラウンの様な軸対称の構造を仮定し,浅水系で支配方程式を解けば,クラウンの半径rcrは,αを定数として,

(1)

の形で表され,時間の1/2乗に比例することが知られている.t0は,時間の原点のずれを表す定数である. この関係は,擾乱が鉛直方向に一定の速度で引き戻されると仮定すれば,質量保存の関係から求めることもできる( Fulana and Zaleski (1998) ).

本実験の時間および直径の対数を取ったグラフを図7に示す. この図を見ると,クラウン崩壊前のt < 30ms の領域では,どの条件でもグラフの傾きはおよそ1/4 であることがわかる.この傾きは,t0を-5ms<t0<5msで変化させてもほとんど変化しない.

また,クラウン崩壊後の傾きは,崩壊前と明らかに異なっていることがわかる.これについては,次ページで別途解析する.

図7 クラウンの直径の時間変化(両対数グラフ) 赤実線は,傾きが1/4の直線を示す.